岩波文庫の新刊「定本 育児の百科(中) 5カ月から1歳6ヶ月まで」(松田道雄)を読みました。
この時期の話題は,離乳,排泄,集団保育,食事,病気など。当然ながら,きわめて実践的なものばかりです。それでも,本書を読んで面白いと感じるのは,かつての自分の育児生活を懐かしがるだけでなく,そもそも小さな子供がある行動をとるのは,しつけの問題なのか,持って生まれた性分なのか,そこにどんな隠された意味があるのか,という大人としての興味に,本書がよく応えてくれているからだと思いました。
親は,つい,何か問題があるとそれが自分のしつけの拙さによるのではないかと思いがちです。しかし,本書には,それは持って生まれた性分であるとハッキリ書いてあり,たとえば,激しい夜泣きは多感な神経を持った子供の一種の受難であるが,直らない夜泣きはないので絶望しないこと,子供は母親の顔色を見ながら,いろいろと母親を試そうとするので,そんなテストの機会を与えず,しかるときには最初からしかるなど,それぞれの事象に対して説得力のある説明がなされています。
もう一度,一から自分の子供を育てることができるなら,実践してみたいこと,観察してみたいことばかりですが,ウチの場合,カミサンが超高齢出産になってしまうので無理ですね。いま,子育て中の方には,ぜひ本書を読んで,がんばってほしいと思います。
コメント
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こんばんは!子供の性格って先天性な要素が強いってのはうなずけます^^。うちの二人の子供は同じ兄弟でも「陰」と「陽」まったく正反対の性格です…(笑
富田さん、こんにちは。ご無沙汰しております、Sachiです。
『育児の百科』、岩波文庫の新刊ですが、子供のいないわたしは購入を迷っていたんですが、富田さんの記事を読ませいてただいたら興味が湧きました。
読むだけでもおもしろそうですね。
子育てをいずれすることになるのか、それともしないまま終わるのかはわかりませんが、買って読んでみようかなと思いました。
先月に娘を出産した者です。
母に育児書は、図書館で借りるより、一冊持っておきなさいと教わり、松田道雄さんの本書を薦められました。
三冊買った方がいいのか中巻だけにしようか、迷っています。