言論・出版の自由(ミルトン)

言論・出版の自由 他一篇―アレオパジティカ (岩波文庫 赤 206-1)岩波文庫「言論・出版の自由」(ミルトン)を読む。
17世紀の詩人ミルトンは,「失楽園」の人だが,端正な容姿から受けるイメージとは違い,若い頃から,反王制,反教皇の立場で大いに発言し,財産没収や焚書などの厳しい処分も受けている。長老議会による検閲強化「許可なくして書物を印刷・翻刻・輸入することを禁ずる」に対する反論。当時は検閲により違反とされた書物は焼却され,著者は耳や鼻を削がれたというから,なかなか勇気の要ることではあるね。
本書の解説は,ミルトンの生涯や思想について,簡潔にわかりやすくまとめられているので,とても役に立った。
ちなみに「言論の自由」の旧訳(上野精一ほか訳)は,最初白帯(白181)でスタートし,その後赤帯(赤206-1)に変わった。tomiさんによると,「わたくし所蔵の本書は,番号新旧併用時代のもののようで,白い帯に小さく「赤206-1」その下に大きく「白181」と書いてあります(74年12刷)」とのこと。

コメント

  1. 白帯時代の『言論の自由』もあまり見かけなくなりました。
    ところで、そういう「絶版もの岩波文庫」を扱っていた、山陽堂支店が3月末で閉店になりました。ずっーと通い続けていて思い出も多い場所だけにショックでもあり、残念でもあります。

  2. 山陽堂支店は,私も25,6年前の学生時代,毎月注文ハガキを出したり,帰省したときには立ち寄ったりと懐かしいところでした。インターネットのおかげで,あそこに行けばありそうだ,という店が必要なくなってしまったのかもしれませんが,残念ですね。

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