みなさんは家にパソコンがやってきてからこれまでに,「蔵書目録を作ろう」と思い,実際にフォームを作り,何冊かのデータを打ち込んで,そのままになってしまったという苦い経験はないでしょうか? かくいう私のハードディスクには,無念にも敗れ去ったデータベース・フォームの残骸が累々と積み重なり,目録墓場と化して…
続きを読む岩波文庫の発売日
出版社の発売日についていちばん詳しいのは,コミックの愛読者ではないかと思うが,岩波文庫についても,その発売日を知っておく必要がある。 その理由の第一は,もちろん早く新刊を読みたいということだが,それ以外に,一般の書店では岩波文庫の新刊入荷数が少なく,見つけ次第買わないとすぐになくなってしまうからでも…
続きを読む文庫本と古書店
絶版文庫の古書価は,一般に,国文学,歴史,思想関係に高価なものが多く,外国文学関係に少ないといわれているが,最近では新しい外国文学全集が出ないことや,各社文庫の外国文学部門が縮小(切り捨て)されたことにより,相当な”名作”でも手に入らない状況となり,いきおい岩波や新潮,角川などの外国文学部門の品切れ…
続きを読む今はなきパラフィン紙
昭和62年の創刊60周年を機に,岩波文庫も他社の文庫本と同じようなビニール引きのカバーが付くようになり,その際古いファンから,”ギラギラしたカバーなんて”と反対の声が寄せられたりもしました。岩波文庫のカバーは,背表紙の下半分が帯色になっているのみで,統一のとれたデザインですから,書棚に並べたときもす…
続きを読む文庫化の時期
文庫化のサイクルはどんどん短くなっている。少し待てば文庫本になりそうだと思うような本は,新刊の単行本が出ても,つい買うのを控えてしまう。果たして単行本が文庫化されるまでの期間は決まっているのだろうか。いくつかの出版社に聞いてみた。 河出文庫 文庫化のサイクルは基本的には単行本発刊の2年後。映画化,テ…
続きを読むスピンと栞
最近は栞ひも(スピン)の付いている文庫本を見なくなった。大手で残っているのは新潮文庫くらいなもの。車中読書がもっぱらの読書人にとって,あの栞ひもは大変便利なものだったが,コスト低減の大号令のもと,あっさりと廃止されてしまった。 で,代わりに挟まっている紙の栞。これが読んでいると邪魔でしょうがない。長…
続きを読む雑誌『文庫』総目次
岩波文庫の会から発行された雑誌『文庫』(1951~1960)の総目次 1951年1956年 1952年1957年 1953年1958年 1954年1959年 1955年1960年 1951年 第1号 岩波文庫とレクラム 小泉信三 読書と家計 都留重人 岩波文庫略史1 読書案内 ゲーテの作品 ヒルテ…
続きを読む岩波文庫の荷風
もともと全集などこつこつ集める柄ではないのですが,荷風全集だけはずっと買い続けてきました。岩波文庫でも古いものがぼちぼち復刊されていますが,明治期の風俗(特に花柳界)がよく描かれているうえ,「あめりか物語」や「ふらんす物語」のような洋行ものには,往事の現地の日本人社会の様子など,興味深い記述が多く…
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